WTTチャンピオンズのNER(同一国から出場できる選手数)は4で、ワイルドカード・推薦枠を除くと日本人上位4名しか出場できません。早田ひな選手は長らく、日本人上位4位以内をキープしてきましたが、怪我の影響もあって世界ランクを落としており、ついに日本人5番手に下がってしまいました。
WTTシリーズのエントリーには6週間程度の日数差があり、今大会は出場できましたが、今年残りのチャンピオンズ2大会は厳しい状況です。が、焦ってもしょうがないので、少しずつ世界ランクを戻していくしかありません。
早田ひな選手はR16で王曼昱選手と対戦しましたが、惜しくもフルゲームで負けました。それでも非常に収穫の多い敗戦でした。
*アイキャッチ画像はテレ東卓球情報のXポストからの引用です。
WTTチャンピオンズ
- シニア向けWTTシリーズの上から3番目の大会です。
- 男女それぞれ年間最大6大会開催可能です。(2024年までは4大会)
- 本戦6日、予選はありません。
- シングルスのみ実施。出場人数は30名+ワイルドカード1名+WTT推薦1名の合計32名。
- 各協会から4名までしか出場できません。
- 世界ランクによる出場制限はありません。
- ワイルドカード枠1名、WTT推薦枠1名。
- シード数は8。
- 出場資格を持つ選手が病気や怪我以外の理由で辞退した場合、ペナルティの対象となります。ただし、2025年4月以降、選手は年間2回まで個人的理由で出場を辞退できます。
- R32、R16は5ゲームマッチ、準々決勝以降は7ゲームマッチ。(2025年3月までは準決勝と決勝のみ7ゲームマッチ)
- 試合は1テーブルで進行されます。
- 優勝選手には1,000ポイントが付与されます。
大会情報
- 期間:9月9日から14日
- 場所:マカオ(中国の特別行政区、日本との時差1時間、現地10:00が日本の11:00)
- 出場種目:シングルス
- 参照:WTT公式サイト、日本卓球協会公式サイト
ネット中継
試合はT1のみ(放送用の超豪華なテーブル1台だけ)で行われました。配信は、最近固定化されたスタイルでした。
- WTTがYoutubeチャンネルでリアルタイム配信しました。が、日本は地域制限により視聴できませんでした。
- テレビ東京卓球チャンネルが日本人選手以外の試合をリアルタイム配信しました。
- テレビ東京がU-NEXT(有料)で日本人選手の試合を、日本語実況解説付きでリアルタイム配信しました。
シングルス出場選手
中国はゴールドカードを2枚行使して合計6名がエントリーしています。早田ひな選手はWR13位でシード外でした。
日本人選手は張本美和選手、伊藤美誠選手、大藤沙月選手、早田ひな選手の4名が出場しました。
シングルス:ベスト16
早田ひな選手はシード外であったため、R16で王曼昱選手と当たるドローでした。第8シードまでならば、四天王と当たるのは準々決勝で、これが大きな壁でしたが、シード外だとドロー運が良くてもR16で当たってしまいます。これはしょうがないです。いずれにしても、四天王に勝ったり負けたりできるレベルまで強くなるしかありません。
早田ひな選手はR16で王曼昱選手と対戦しましたが、惜しくもフルゲームで負けました。それでも非常に収穫の多い敗戦でした。
R32(1回戦)
台湾の黄怡樺選手との対戦でした。WTTチャンピオンズ重慶2025で対戦しています。
早田ひな選手は状態が良く、難敵相手に快勝でした。
- 第1ゲーム、互いの良さが出て4-4まで競りますが、そこから流れをつかんでリードを広げます。早田選手は仕上がりが良いようで、弱点のフォアサイドを突かれたボールにも対応します。また、伊藤美誠選手が好む憎たらしい台上プレーを連続で出すなど余裕も感じました。危なげなく11-4でこのゲームを取ります。
- 第2ゲーム、精度の高いプレーでリードする展開が続きますが、黄怡樺選手の逆襲にあって8-8で追い付かれます。このゲームを落とすと勢い付かせてしまうところ、サーブからの展開で狙い通りの組み立てをして10-8とします。今日は狙った攻撃をする際のミスが少ないです。最後、練習の成果が詰まったプレーで取り切り、11-8でこのゲームも取ります。プレー内容からラケットの感覚は研ぎ澄まされていると思いました。
- 第3ゲーム、失点しても楽しそうな表情を見せる1本から始まります。いつもの早田選手らしさ全開です。今日は台との距離感が合っているようで、両ハンドドライブのミスが少なく狙い通りの攻撃ができているようでした。前回対戦時、粘り強く打ち返してくる黄怡樺選手に手を焼きましたが、今日はそれを封じ込めるうまさがありました。このゲームも11-4と圧倒して取り、ストレート勝利を収めました。
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R16(2回戦)
王曼昱選手との対戦でした。これまで勝てそうな試合をしたことがありません。
- 第1ゲーム、強い王曼昱選手に付いていく展開が続きます。両ハンドの精度が高く、レシーブも積極的で7-7で並びます。そこから覚醒したかのようなプレーの連続で11-7でこのゲームを取ります。
- 第2ゲーム、タイミングを外されて空振りが増え、流れを渡してしまいます。失った流れを取り戻せないまま3-11でこのゲームを落としてしまいます。
- 第3ゲーム、リードされる展開が続きます。厳しいミドル攻めに対し、初めて見るフットワークで対応します。7-7からバックサーブに変更します。ミスになってもバックサーブを出し続け、11-9でこのゲームを取り返し、ゲームカウントを2-1にします。
- 第4ゲーム、バックハンドサーブを続けます。王曼昱選手にミスを誘われ、実力差が出て6-11でこのゲームを落とします。王曼昱選手の対応力の高さが目立ちます。
- 最終第5ゲーム、5-5まで競りますが、そこから実力差を見せられる展開で7-11で敗戦、R16敗退となりました。王曼昱選手、強かったです。もっと実力を付けないと勝たせてはもらえないです。
早田ひな史上最もバックサーブを多用した試合でした。シーズン2で取り組んでいる練習の成果が多く見られたし、一時期感じられたフォアハンドドライブの威力不足はなかったし、収穫の多い敗戦になりました。
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まとめ
- 早田ひな選手はR16で王曼昱選手と対戦しましたが、惜しくもフルゲームで負けました。それでも非常に収穫の多い敗戦でした。
- 王曼昱戦は、早田ひな史上最もバックサーブを多用した試合でした。シーズン2で取り組んでいる練習の成果が多く見られたし、一時期感じられたフォアハンドドライブの威力不足はなかったし、収穫の多い試合でした。
- 王曼昱選手に勝つには、もっとミスを減らさないといけません。落としたゲームは、もったいない失点が目立ったように思いました。でもその差が縮まってきていることは確かです。
大会終了後
早田ひな選手はインスタグラムストリーズに「少しずつ道が見えてきてる気もするので、毎日ちょっとずつですが頑張ります」と投稿しました。いつも通り、早田ひな選手は元気で前向きです。