早田ひな選手は千載一遇のチャンスを活かしてWTTチャンピオンズフランクフルト2025で優勝し、WR10位、日本人選手3位に復帰しました。今年最後のスターコンテンダーである今大会は、エントリー的に優勝を目指せるチャンスなので、さらにWRポイントを加算しておきたいです。保有しているWRポイントが世界ランキングに直結し、上位シードにいることが競争を有利に進めるための条件だからです。
ところが早田ひな選手は疲れていたのか本来の実力が出せず李恩惠選手に負けてしまい、ベスト16でした。
＊アイキャッチ画像はこちらの動画からの引用です。
大会の仕様
- シニア向けWTTシリーズの下から2番目の大会です。
- 年間最大6大会開催可能です。
- 本戦4日、予選2日以内の日程で選手によっては1日に4試合に出場します。
- シングルス、ダブルス、混合ダブルスの3種目を実施。
- シングルスの本戦は48名、うち8名は予選を通過した選手。
- 予選人数は32、48、64名から開催国が選択します。
- ダブルス、混合ダブルス本戦16ペア、うち4ペアは予選を通過したペア。
- シングルスは各協会から本戦4名、予選6名までしか出場できません。（世界ランク20位以内の選手を除きます。）また世界ランク21位以降の上位者から優先出場となっています。
- 世界ランク20位以内の選手は、全体で8名しか出場できません。ホスト国はその8名を選ぶ裁量権を持ちます。（2024年までは6名）
- ワイルドカード枠4名、WTT推薦枠2名は上記制限の対象外。予選のワイルドカード枠は8名。
- シングルスのシード数は16。
- 前6週以内にグランドスマッシュまたはチャンピオンズに出場した選手は優先度が下がります。
- シングルスの決勝のみ7ゲームマッチ、他はすべて5ゲームマッチ。
- 優勝選手には600ポイントが付与されます。
WTTスターコンテンダーマスカット2025
- 期間：2025年11月17日から22日
- 場所：オマーンのマスカット（日本との時差5時間、現地10:00が日本の15:00）
- 出場種目：シングルス
- 参照：WTT公式サイト、日本卓球協会の公式サイト
ネット中継
- WTTがYoutubeチャンネルでT1からT4をリアルタイム配信しました。が、本戦1日目（シングルスR64）から日本は全テーブルが地域制限により視聴できませんでした。
- テレビ東京卓球チャンネルは本戦1日目からT1をリアルタイム配信しました。が、T2からT3は日本では視聴できなくないという最悪の状況でした。
- テーブルに関わらず主な試合のフル動画が24時間以内にテレビ東京卓球チャンネルアップロードされました。
僕はやむなくVPNに課金しているので全試合リアルタイム視聴できましたが、それはテレビ東京が望んでいることではないはずです。WTTの配信に地域制限をかけるのなら、全テーブルをテレビ東京卓球チャンネルで配信すべきです。どれだけ卓球ファンの怒りを買っているか想像できないのでしょうか。
シングルス出場選手
本戦から出場する40名の顔ぶれです。中国人選手は中国で4年に1回開催される中国全国運動会のため、ひとりも出場しませんでした。
早田ひな選手はWR10位で第1シードでした。
日本人女子で出場したのは早田ひな選手、大藤沙月選手、長﨑美柚選手、木原美悠選手、佐藤瞳選手、横井咲桜選手、平野美宇選手です。
シングルス：ベスト16
R32からミスが目立ちましたが、R16で李恩惠選手の勢いを抑えられずにストレートで負けてしまい、ベスト16でした。早田ひな選手は疲れていたのでしょうか、本来の実力を出し切れませんでした。
R32（2回戦）
スウェーデンのクリスティーナ・シェルベリ選手との対戦でした。WTTコンテンダーリオデジャネイロ2023以来の対戦となりました。
状態の良いクリスティーナ選手に対し、早田ひな選手はフォアハンドのミスが多く、負けてもおかしくない試合でした。危なかったです。
- 第1ゲーム、レシーブが甘くて打ち込まれることが目立つものの、試合を有利に運んで11-7でこのゲームを取ります。
- 第2ゲーム、クリスティーナ選手の攻撃的なプレーを抑えきれず、リードを許す展開が続きます。7-7で追い付いたものの、クリスティーナ選手のファインプレーが続いて8-10とゲームポイントを握られます。攻めたプレーでデュースに持ち込みますが、10-12でこのゲームを落としてしまいます。
- 第3ゲーム、早田選手のフォアハンドにミスが目立ち流れをつかめません。それでも得点できる手段を探して11-6でこのゲームを取り返します。
- 第4ゲーム、クリスティーナ選手の勢いを止められず、接戦になります。今日はフォアサイドを抜かれることが多いです。対戦相手が振れば入る日というのがありますが、そういうことも乗り越えなければ強くなれません。早田選手もスーパープレーで応戦しますが、あと1点が遠く9-11でこのゲームを落としてしまいます。勝負は最終第5ゲームへ。
- 最終第5ゲーム、あらゆる技術を駆使し、実力を出し切ってリードする展開になります。9-5とリードしたものの9-7と追い上げられて嫌な雰囲気になります。難しい1本を取って10-7でマッチポイントを握り、クリスティーナ選手の追い上げを振り切って11-8で勝ち切り、静かに右手拳を振りました。
クリスティーナ選手、強かったです。危ない試合でしたが、勝てて良かったです。
フル動画。
ハイライト。
R16（3回戦）
韓国の李恩惠（イ・ウンヘ）選手との対戦でした。WTTチャンピオンズフランクフルト2025で対戦したばかりです。
早田ひな選手は仕上がりが悪く、本来の実力を出せないままストレート負けでした。
- 第1ゲーム、状態の良い李恩惠選手に対し、早田選手はボールに威力がなく、簡単にカウンターを喰らう、ラリー戦で先にミスをすると調子が上がりません。7-11でこのゲームを落としてしまいます。
- 第2ゲーム、7-3とリードできたものの、そこから逆襲にあって8-8で追いつかれます。明らかにいつもの早田選手ではなく、勝負強さが感じられません。フォアハンドの強打が決まらずがっくりと膝に手をやるシーンは、早田選手らしくありません。最後はバックハンドドライブがオーバーになり、9-11でこのゲームも落としてしまいます。
- 第3ゲーム、李恩惠選手の勢いを抑えられずにリードを許す展開が続きます。諦めないで力を振り絞りますが、李恩惠選手のカウンターを喰らうことが多く6-11で敗戦となりました。今日は李恩惠選手に勝てる状態ではありませんでした。
欧州遠征からの連戦による疲労でしょうか、本来の早田ひな選手には程遠い状態でした。一方の李恩惠選手は絶好調でした。今日の敗戦は忘れてしまって、元気を取り戻しましょう。大会は続きます。そして勝っても負けても変わらない姿勢で応援を続けます。
フル動画。
ハイライト。
公開待ち。
まとめ
- 早田ひな選手は欧州遠征からの連戦の疲れのせいか、本来の状態には程遠い出来でした。初戦のR32はなんとか勝ちましたが、R16で絶好調の李恩惠選手の勢いを抑えられず、ストレート負けを喫してしまいました。対人競技ゆえ、負けるべくしてまけたと言える試合内容でした。
- エントリー的には優勝を狙える大会だったので非常に残念ですが、WTTチャンピオンズフランクフルト2025で優勝して日本人選手3位に復帰できていたことから、今大会の結果は忘れていいです。
- 1週間後には混合団体ワールドカップ2025が開催されます。しっかり休んで、また元気にプレーする姿を見せて下さい。勝っても負けても変わらない姿勢で応援し続けます。
