2026年から世界ランキングポイント付与の制度が改定されたこともあって、世界ランキング上位選手はコンテンダーシリーズを回避する傾向が強くなりました。それでも日本人女子選手は他国と状況が大きく異なるためか、積極的に出場する選手が多いです。
早田ひな選手はコンテンダーシリーズへの出場は良く考えて決めているようですが、WTTチャンピオンズマカオ2026の直前であるにも関わらず出場を選択しました。それだけに結果を求めたいところです。また、とがひなペアで混合ダブルスにも出場と、とても楽しみな大会になりました。
シングルスは期待通り決勝に滲出しましたが、絶好調の平野美宇選手に完敗して準優勝でした。混合ダブルスは準々決勝でロシアの伏兵ペアに完敗してベスト8でした。
*アイキャッチ画像はこの動画からの引用です。
大会の仕様
- シニア向けWTTシリーズの最下位大会です。(WTTフィーダーシリーズはWTTシリーズではありません。)
- 年間最大14大会開催可能です。
- 本戦4日、予選3日以内の日程で選手によっては1日に4試合に出場します。
- シングルス、ダブルス、混合ダブルスの3種目を実施。
- シングルスの本戦は32名、うち8名は予選を通過した選手。
- 予選人数は64、96、128名から開催国が選択します。
- ダブルス、混合ダブルス本戦16ペア、うち4ペアは予選を通過したペア。
- シングルスは各協会から本戦4名、予選は4名または8名までしか出場できません。(世界ランク20位以内の選手を除きます。)また世界ランク21位以降の上位者から優先出場となっています。
- 世界ランク20位以内の選手は、全体で4名しか出場できません。ホスト国はその4名を選ぶ裁量権を持ちます。(2024年までは3名)
- ワイルドカード枠3名、WTT推薦枠1名は上記制限の対象外。予選のワイルドカード枠は8名。
- シングルスのシード数は8。
- 前6週以内にグランドスマッシュまたはチャンピオンズに出場した選手は優先度が下がります。
- シングルスの決勝のみ7ゲームマッチ、他はすべて5ゲームマッチ。
- 優勝選手には400ポイントが付与されます。
WTTコンテンダーアルマトイ2026
- 期間:2026年9月1日から6日
- 場所:カザフスタンのアルマトイ(日本との時差43時間、現地10:00が日本の14:00)
- 出場種目:シングルス、ダブルス
- 参照:WTT公式サイト、日本卓球協会の公式サイト
ネット中継
- WTTがYoutubeチャンネルでT1からT4をリアルタイム配信しました。が、本戦から日本は全テーブルが地域制限により視聴できませんでした。
- テレビ東京卓球チャンネルは本戦からT1をリアルタイム配信しました。が、T2からT4は日本では視聴できないという最悪の状況でした。
- テーブルに関わらず主な試合のフル動画が24時間以内にテレビ東京卓球チャンネルにアップロードされました。
僕はやむなくVPNに課金しているので全試合リアルタイム視聴できましたが、それはテレビ東京が望んでいることではないはずです。WTTの配信に地域制限をかけるのなら、全テーブルをテレビ東京卓球チャンネルで配信すべきです。どれだけ卓球ファンの怒りを買っているか想像できないのでしょうか。
シングルス出場選手
本戦から出場する24名の顔ぶれです。WR6位の早田ひな選手は第1シードでした。

日本人選手で出場したのは早田ひな選手、長﨑美柚選手、木原美悠選手、赤江夏星選手、平野美宇選手、小塩悠菜選手です。
シングルス:準優勝
順当に決勝に進出しましたが、今大会絶好調の平野美宇選手にボコボコにされて完敗し、準優勝でした。平野美宇選手が強すぎて、勝てる見込みがありませんでした。この敗戦は早田ひな選手をさらに強くしてくれることでしょう。
R32(1回戦)
台湾の李昱諄選手との対戦でした。WTTスターコンテンダーチェンナイ2025以来の対戦となりました。

第2ゲームはおやっと思いましたが、早田ひな選手の冷静さが光った試合でした。

- 第1ゲーム、李昱諄選手の状態が良く接戦になります。決まったかと思うボールを打ち返されて何度も悔しがります。それでも引き出しの多さを見せて11-7でこのゲームを取ります。
- 第2ゲーム、流れを渡してしまい1-6と大量リードされますが、そこから修正して6連続得点で7-6とします。取り戻した流れを手放さずに11-7でこのゲームも取ります。逆転の早田らしいプレーでした。
- 第3ゲーム、このゲームは失点して悔しがるシーンが印象に残りましたが、しっかり11-6で勝ちました。
状態の良い李昱諄選手をしっかり退けられました。まずは鬼門の初戦を突破できて良かったです。
フル動画。
R16(2回戦)
台湾の簡彤娟選手との対戦でした。左利き・シェークハンド攻撃型、初対戦です。

勝ちましたが、自身の課題と向き合いながら対戦しているようでした。

- 第1ゲーム、接戦で点差が開かない展開が続いて9-9まで競ります。やや早田選手に強打のミスが目立ちます。デュースになって最後打ち合いを制して取り切り、右手拳を上げました。でも際どい内容でした。
- 第2ゲーム、点差が開かない展開が続きます。11-9でこのゲームも取りますが、危なげなく、ではなく、落としてもおかしくないところです。分かってやってるのだと思います。
- 第3ゲーム、早田選手がリードを広げる展開が続き、危なげなく11-6で取ってストレート勝利を収めました。
勝ち上がるだけではなくて、試合で試したい、練習の成果を試合で出したいと思ってプレーしているのではないでしょうか。
フル動画。
テレ東制作の公式動画。
準々決勝
ロシアのアブラミアン選手との対戦でした。WTTスターコンテンダーサン・ジョゼ・ドス・カンポス2026で対戦したばかりです。

いろいろ試しながらもしっかり勝ちました。

- 第1ゲーム、いろいろ試しながらプレーしているようですが、アブラミアン選手は強いので余裕があるわけではありません。最後デュースにされそうなところ、難しい打ち合いを制してこのゲームを取ります。1ゲーム落としても大丈夫なんでしょうけど、見てる方はヒヤヒヤします。
- 第2ゲーム、リードを広げる展開が続きます。良く声が出ているし、静かに拳を握ることも多いです。同時に、今大会は攻撃でミスした時にはっきり悔しがる・残念がるシーンを良く見ます。メンタルが充実しているからでしょうか。危なげなく11-6でこのゲームも取ります。
- 第3ゲーム、練習の成果を感じられるプレーも多く出て、11-6で取り切りました。
早田ひな選手、安定していますね。
フル動画。
準決勝
アドリアーナ・ディアス選手との対戦でした。


- 第1ゲーム、接戦で点差が開かない展開が続きます。ディアス選手の追い上げを振り切って、11-8でこのゲームを取ります。
- 第2ゲーム、早田選手にミスが増えて流れを渡してしまいます。あっさりと5-11でこのゲームを渡してしまいます。
- 第3ゲーム、得点して右手拳を上げる回数が増えます。危なげなく、早田選手らしいプレーで11-4でこのゲームを取り返します。
- 第4ゲーム、安定したプレーの早田選手に対し、集中力を欠いたディアス選手は失点を重ねてしまいます。11-2で勝ち切って、期待通りに決勝進出を決めました。
早田ひな選手のプレーは安定していました。
フル動画。
決勝
平野美宇選手との対戦でした。今大会絶好調です。

完敗でした。平野美宇選手は四天王並の強さでした。

- 第1ゲーム、実力拮抗で競った展開が続きます。平野選手は絶好調で、あのボールをカウンターできるのか、というプレーが出ます。9-11でこのゲームを落とします。
- 第2ゲーム、競った展開が続いて9-9まで競ります。なんとか11-9でこのゲームを取り返します。
- 第3ゲーム、平野選手はラリー戦でも打ち負けず、試合を有利に運びます。あらゆるプレーで早田選手を上回っています。7-11でこのゲームも落としてしまいます。
- 第4ゲーム、今日の二人の状態を象徴するようなプレーが続きます。流れを完全に渡してしまい、1-11でこのゲームも落とします。厳しくなりました。
- 第5ゲーム、接戦にできても勝たせてはもらえない、こんなに強い平野選手を見るのは久しぶりです。今日の大きな実力差を感じる試合内容で、8-11で敗戦となりました。
今日の平野美宇選手はどうしてそんなに強いのか、早田ひな選手の状態も良かったと思いますが、平野美宇選手の強さは驚異的でした。
フル動画。
表彰式。
試合結果を伝える記事。
混合ダブルス:ベスト8
とがひなペアは(混合団体ワールドカップを除くと)WTTコンテンダーザグレブ2025以来の出場です。

とがひなペアがロサンゼルスオリンピックの出場資格を得るのは厳しい状況ですが、それぞれに意図があっての出場のはずです。応援しています。
R16は問題なく勝ちましたが、準々決勝でロシアの伏兵(今大会優勝)に完敗してベスト8でした。
R16(1回戦)
ロシアのイボニン/タイラコワペアとの対戦でした。

しっかり勝ちました。

- 第1ゲーム、5-5まで競りますがそこからしっかり攻めて11-7でこのゲームを取ります。
- 第2ゲーム、流れを掴んでリードを広げる展開が続きます。11-5でこのゲームも取ります。
- 第3ゲーム、10-6でマッチポイントを握りますが、10-9まで追い上げられます。最後厳しい打ち合いを制してストレートで勝ち切りました。
とがひなペア、良く声が出ていました。
フル動画。
準々決勝
ロシアのチーホノフ/パンフィロワペアとの対戦でした。予選を勝ち上がってきています。

ロシアペアが強くて歯が立ちませんでした。完敗です。

- 第1ゲーム、接戦で点差が開かない展開が続き8-11でこのゲームを落とします。ロシアペアの男子選手が恐ろしく強いです。
- 第2ゲーム、ロシアペアにリードを許す展開が続きます。男子選手に強打されたら早田選手は取れません。実力も運も足りず、7-11でこのゲームも落としてしまいます。
- 第3ゲーム、完全に流れを渡してしまい、ロシアペアに気持ちよく打たれ、とがひなペアは良いところを出せないまま2-11で負けてしまいました。今日の状態だともう1回試合しても勝てないと思いました。
ロシアペア、どうしてこんなに強いのかと思うぐらいの強さでした。
フル動画。
まとめ
- シングルスはエントリー・ドロー的に決勝進出が必須でした。順当に決勝に進出しましたが、今大会絶好調でとんでもなく強い平野美宇選手にボコボコにされ、準優勝でした。
- 早田ひな選手は当然優勝を目標にしていたと思いますが、平野美宇選手に負けたことで得た収穫・悔しさは、優勝して得られるタイトル、WEポイントよりも大きかったのではないでしょうか。
- 混合ダブルスは期待できる状態でしたが、予選を勝ち上がってきたロシアの伏兵ペアに完敗してベスト8でした。あのペアに勝つのは無理な状況でした。そのペアは今大会優勝しています。
- WTTチャンピオンズマカオ2026の前週に開催された大会で、出場にはリスクもあったはずです。優勝は逃しましたが、マカオにつながる収穫の多い大会になったのではないでしょうか。
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