国際大会

2026年アジア競技大会の結果詳細

アジア競技大会には中国が本気で全力を出すこと、WTTには出てこない北朝鮮が出場することから、日本代表選手がその現在位置を確認するのに適した大会と言えます。できれば全種目で北朝鮮と当たっておきたいところです。たとえ負けてしまうとしても、です。

早田ひな選手はシングルス、みわひなペアでダブルス、団体戦の3種目に出場しました。シングルスは孫穎莎選手に負けて銅メダル、団体戦は中国に完敗して銀メダル、ダブルスは蒯曼/王曼昱ペアに完敗して銀メダルでした。早田ひな選手自身が設定した目標には届かなかったでしょうが、非常に収穫の多い大会になりました。

*アイキャッチ画像はこちらの動画からの引用です。

大会の仕様

  • 4年に1度開催されるアジア地区の大会で、卓球は実施競技のひとつ。アジア版オリンピックと呼ばれている大規模な大会。
  • 種目はシングルスのみによる男女団体戦、男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルス。
  • 団体戦はグループ分けで予選リーグを行い、各グループの上位2カ国が決勝トーナメントに進出。
  • シングルスの出場枠は各国2名まで。全種目各国は反対の山に入る。
  • シングルスは全試合7ゲームマッチ。ダブルスは5ゲームマッチ、準決勝以降7ゲームマッチ。

大会情報

選手選考基準

選考されたのは、張本美和選手、面手凛選手、伊藤美誠選手、早田ひな選手、長﨑美柚選手です。

ネット中継

  • TBSがアジア競技大会の放映権を獲得し、卓球競技を含めて特定の試合をU-NEXT(有料)でライブ配信しました。
  • 配信対象はT1とT2のみ(そもそもその2テーブルしか映像制作されていない)で、U-NEXTで日本人選手の試合を選択的に配信されました。日本人選手がT1かT2で試合しているのに配信されないものもありました。
  • TBSが地上波のアジア競技大会放送枠内で、特定の試合を録画・生放送で中継しました。男子団体決勝は生放送され、優勝の瞬間を生で目撃した人も多かったことでしょう。

残念ながらハイライトを除いてアーカイブがYouTubeで公開されていないため、この記事内にフル動画へのリンクはありません。

大会開催前

NTCでの事前合宿中に公開された練習後のインタビュー記事。

囲み取材。

公開練習とインタビュー。見応えあります。

団体戦グループリーグ:1位通過

女子はグループAからFの6グループ(各グループ3チーム)に分かれ、各グループが総当たりのリーグ戦を行います。各グループの上位2チームが決勝トーナメントに進みます。グループリーグを1位通過したチームは、(チームランキングが低い2チームを除いて)準々決勝から、2位通過したチームはR16からの対戦になります。

日本はグループBで、モンゴル、ウズベキスタンと同じ組になりました。

日本はストレートで2勝してグループBを1位通過しました。

GL1:モンゴルとの対戦

張本、伊藤、長﨑、張本、伊藤のオーダーでした。

3-0のストレート勝利でした。

ハイライト。

試合結果を伝える記事。

第1試合

張本美和選手とSANJAA Burenjargal選手の対戦でした。

張本美和選手とSANJAA Burenjargal選手の対戦のスコア表

快勝でした。

第2試合

伊藤美誠選手とBATMUNKH Bolor-erdene選手の対戦でした。

伊藤美誠選手とBATMUNKH Bolor-erdene選手の対戦のスコア表

快勝でした。

第3試合

長﨑美柚選手とBATMUNKH Bolor-egshiglen選手の対戦でした。

長﨑美柚選手とBATMUNKH Bolor-egshiglen選手の対戦のスコア表

快勝でした。

GL2:ウズベキスタンとの対戦

長﨑、早田、面出、早田、長﨑のオーダーでした。

3-0のストレート勝利でした。なおこの試合のテーブルは配信対象外でした。

試合結果を伝える記事。

第1試合

長﨑美柚選手とKAMALOVA Arujan選手の対戦でした。

長﨑美柚選手とKAMALOVA Arujan選手の対戦のスコア表

快勝でした。

第2試合

早田ひな選手とERKEBAEVA Asel選手の対戦でした。

早田ひな選手とERKEBAEVA Asel選手の対戦のスコア表

快勝でした。

第3試合

面手凛選手とKHASANOVA Adelina選手の対戦でした。

面手凛選手とKHASANOVA Adelina選手の対戦のスコア表

快勝でした。

団体戦決勝トーナメント:準優勝(銀メダル)

次のチームがグループリーグを1位通過しました。中国、日本、韓国、香港、インド、北朝鮮。そして、どうやら次のルールでシードされたようです。

  • 1位通過したチームのうち、ITTFのチームランキング序列上位2チームが両端を取る。(中国と日本)
  • 1位通過した残りのチームのうち、ITTFのチームランキング序列上位3位と4位のチームがドローで配置される。(韓国と北朝鮮)
  • チームランキング序列上位5位と6位のチームはR16に配置される。
  • 2位通過したチームもチームランキング序列で配置される。
  • ただし、グループリーグで同一グループだったチームは反対の山に配置される。

上記ルールによるドローの結果をどう捉えるかは難しいところです。

  • 中国と反対の山に入ったのはチームランキング通りです。これは長い年月をかけて固めてきたポジションです。
  • グループリーグで台湾を下した謎に強い北朝鮮が中国の山に入りました。日本チームがほっとしたか、めったに対戦できない北朝鮮と対戦したかったかは不明です。
  • 異質使いで厄介なインドも中国の山に入りました。現在はインドを苦手にしていないはずですが、今年の世界卓球団体戦で北朝鮮を下しているので、当たらなくて良かったと思います。

順当なら準々決勝でマカオと、準決勝で韓国と、決勝で中国と当たると思われました。もちろん日本は絶対に決勝に行かねばなりません。

目標通り決勝に進出して中国と対戦しましたが、強すぎる中国に完敗して準優勝(銀メダル)でした。

準々決勝:台湾チームとの対戦

台湾チームはグループリーグで北朝鮮に負けて、R16でマカオに勝ち上がってきました。日本は張本、早田、伊藤、張本、早田のオーダーでした。

3-0のストレート勝利でした。

ハイライト。

試合結果を伝える記事。

第1試合

張本美和選手と葉伊恬選手との対戦でした。

張本美和選手と葉伊恬選手との対戦のスコア表

しっかり勝ちました。

  • 第1ゲーム、競った展開が続きますが、終盤引き離して11-6でこのゲームを取ります。
  • 第2ゲーム、精度の高いプレーで点差を広げる展開が続きます。10-5でゲームポイントを握りますが、1点差まで追い上げられ、タイムアウトを取ります。タイムアウト空け後のサーブ3球目をフォアハンドで撃ち抜いて11-9でこのゲームも取ります。
  • 第3ゲーム、安定したプレーで寄せ付けず、危なげなく11-6でこのゲームも取ってストレート勝利を収めました。

安心感がありましたね。

第2試合

早田ひな選手と鄭怡静選手との対戦でした。エース対決になりました。

早田ひな選手と鄭怡静選手との対戦のスコア表

接戦を制して勝ちました。第3ゲームを逆転されて落としていたら分からなかったですね。

  • 第1ゲーム、競った展開が続きます。早田選手、いつものように良く吠えています。元気な早田選手が帰ってきました。10-9でゲームポイントを握ったもののデュースに持ち込まれ、詰めが甘くて11-13でこのゲームを落としてしまいます。
  • 第2ゲーム、早田選手が修正力の高さを見せてリードを広げる展開が続きます。今日は良く吠えます。ベンチにいるチームメイトの声がコートに響きます。最後久しぶりにYGサーブを出してエースし、11-7でこのゲームを取り返します。
  • 第3ゲーム、早田選手らしいプレーの連続で、流れをつかんで7-1と大量リードします。ところがそこから失速して7-9と8連続失点してしまいます。一気に崩れてもおかしくないところ、デュースに持ち込み勝負強さを見せて12-10でこのゲームも取ります。このゲームを逆転で落としていたら流れ的に分からなかったですね。
  • 第4ゲーム、ミスが減り、狙い通りのプレーでリードを広げる展開が続きます。完全に流れをつかんで離さず、11-2で勝ち切りました。最後はYGサーブのエースでした。

勝ててよかったです。ベンチで応援しているチームメイトも楽しめる、そんな試合内容でした。

第3試合

伊藤美誠選手と彭郁涵選手との対戦でした。彭郁涵選手はラケットをくるくる回転させながらプレーすることから「扇風機少女」と呼ばれています。最近橋本帆乃香選手と長﨑美柚選手に勝っている難敵です。

伊藤美誠選手と彭郁涵選手との対戦のスコア表

伊藤美誠選手が異質型への強さを発揮して快勝でした。

  • 第1ゲーム、初見だと苦戦する選手が多いのですが、伊藤選手は大して苦労する様子もなく、安定したプレーでリードを広げます。11-7でこのゲームを取ります。
  • 第2ゲーム、彭郁涵選手は対戦相手を惑わせる異質型ですが、逆に伊藤選手に惑わされます。伊藤選手も初見殺しです。危なげなく11-4でこのゲームも取ります。
  • 第3ゲーム、伊藤選手に幻惑されて自分のプレーができないまま、伊藤選手がリードを広げる展開が続きます。11-3で圧倒してストレート勝利を収めました。

伊藤美誠選手らしいプレー連発で快勝でした。

準決勝:韓国チームとの対戦

準決勝は韓国チームとの対戦でした。日本は早田、張本、長﨑、張本、早田のオーダーでした。

3-0のストレート勝利でした。

ハイライト。

試合結果を伝える記事。

第1試合

早田ひな選手と申裕斌選手との対戦でした。

早田ひな選手と申裕斌選手との対戦のスコア表

早田ひな選手は仕上がりが良く、申裕斌選手の展開にさせませんでした。

  • 第1ゲーム、精度の高いプレーで流れをつかみ、リードを広げる展開が続きます。11-6でこのゲームを取ります。
  • 第2ゲーム、試合の入り方が悪いことが良くある早田選手ですが、今日はびっくりするほどいいです。そして良く声が出ています。心身ともに充実している証ですね。6-6まで競った後、厳しいラリー戦を制して9-6とし、ベンチに向かって右手を高く突き上げながら絶叫します。これが団体戦です。11-7でこのゲームも取ります。
  • 第3ゲーム、ほぼミスのないプレーで強敵を寄せ付けず、危なげなく11-4で勝ち切ってチームに良い流れを作りました。

吠えまくる早田ひな選手、最高です。

第2試合

張本美和選手と朱芊曦選手との対戦でした。

張本美和選手と朱芊曦選手との対戦のスコア表

強敵相手にしっかり勝ちました。

  • 第1ゲーム、競った展開が続きますが、終盤抜け出して11-7でこのゲームを取ります。張本選手、安定しています。
  • 第2ゲーム、競った展開が続きますが、勝負どころで失点せず、10-8でこのゲームも取ります。
  • 第3ゲーム、10-7でマッチポイントを握りますが、1点差に迫られます。タイムアウト開け後絶妙なストップによるレシーブエースで11-9で勝ち切り、エースの仕事をしました。

張本美和選手、強かったです。

第3試合

長﨑美柚選手と金娜英選手との対戦でした。

長﨑美柚選手と金娜英選手との対戦のスコア表

接戦を制してストレート勝利でした。

  • 第1ゲーム、追いかける展開が続きますが7-7で追いつきます。長﨑選手、状態良さそうですし、良く声が出ています。11-8でこのゲームを取ります。
  • 第2ゲーム、実力拮抗で8-8まで競ります。最後勝負強さを見せて11-9でこのゲームも取ります。
  • 第3ゲーム、相手に流れを渡すことなく11-7で勝ち切り、決勝進出を決めました。

長﨑美柚選手、気合入っていました。

決勝

決勝は中国チームとの対戦でした。日本は早田、張本、伊藤、張本、早田のオーダーでした。

0-3での完敗で、準優勝でした。中国は3選手とも強かったです。

ハイライト。

早田ひな選手の試合後のコメント。

「第1、第2ゲームの入りは悪くなかったけど、不運な部分もあって落とし、もったいなかった。ラリーで点を取るなど余裕が出てきた部分もあり(同じ孫穎莎に完敗した)世界選手権を思うと頑張ったなと思う」

引用:日経電子版スポーツのXポスト

試合結果を伝える記事。

第1試合

早田ひな選手と孫穎莎選手との対戦でした。

早田ひな選手と孫穎莎選手との対戦のスコア表

実力も運も足りずに負けてしまいました。

  • 第1ゲーム、不運なネットインが多くペースをつかめません。フォアハンドの強打が決まらずリードを広げられます。強さを見せつけられて4-11でこのゲームを落とします。
  • 第2ゲーム、このゲームも不運なボールが多いですが、これも卓球です。早田選手は動けているし、良く声が出ていますが、このゲームも自分の流れを作れずに、6-11で落としてしまいます。
  • 第3ゲーム、強打のミスがあるものの、点差が開かない接戦になります。やっと自分の流れにできて9-5とリードして絶叫します。早田選手らしさ全開です。11-8で取り切って、右手を高く突き上げなら吠えます。
  • 第4ゲーム、持っている力を振り絞って戦いますが、3-10でマッチポイントを握られます。そこから粘りを見せたものの、7-11で敗戦となりました。

孫穎莎選手に勝てるようになるまで引退できません。

第2試合

張本美和選手と王曼昱選手との対戦でした。

張本美和選手と王曼昱選手との対戦のスコア表

あと一歩及ばず勝たせてもらえませんでした。

  • 第1ゲーム、王曼昱選手の流れにさせることなく11-6でこのゲームを取ります。
  • 第2ゲーム、流れを渡してしまい、ミスも増えて4-11でこのゲームを落としてしまいます。
  • 第3ゲーム、張本選手が強さを見せてリードを保つ展開が続きます。9-9で追い付かれますが、攻めて11-9で取り切って大きく吠えます。
  • 第4ゲーム、ミスが増えて流れを渡してしまい、6-11でこのゲームを落とします。勝負は最終第5ゲームへ。
  • 最終第5ゲーム、レベルの高いプレーの応酬が続きます。実力は互角です。9-10でマッチポイントを握られ、デュースに持ち込んだものの、あと1点が遠く10-12で負けてしまいました。

王曼昱選手相手に団体戦でここまで戦える選手はそうそういません。張本美和選手は日本の絶対エースです。

第3試合

伊藤美誠選手と蒯曼選手との対戦でした。

伊藤美誠選手と蒯曼選手との対戦のスコア表

  • 第1ゲーム、競った展開が続いて6-6まで競りますが、そこから弱点を攻められて流れを渡してしまい、6-11でこのゲームを落とします。
  • 第2ゲーム、蒯曼選手は確立されている伊藤選手攻略法を徹底して使います。伊藤選手が得意とするパターンに持ち込めず、5-11でこのゲームも落としてしまいます。
  • 第3ゲーム、打開策を見い出せないままリードを許す展開が続き、7-11で敗戦となりました。

WTTで勝てないと、団体戦は万全の状態で臨んで来るので勝つのは難しいです。

シングルス:ベスト4(銅メダル)

早田ひな選手はR32からの登場で、準々決勝以降は普通に強敵と当たるドローでした。

準々決勝で朱雨玲選手にストレートで勝利して準決勝に進出しましたが、強い孫穎莎選手に負けてベスト4(銅メダル)でした。それでも試合内容は過去最高に良いものでした。

R32(2回戦)

イランのイルカニ選手との対戦でした。

イランのイルカニ選手との対戦のスコア表

快勝でした。

この試合は配信対象ではなかったので、試合映像は見れていません。、

R16(3回戦)

香港の童蘇籽童(スー・ズートン)選手との対戦でした。ヨーロッパスマッシュ2026で対戦したばかりです。

童蘇籽童(スー・ズートン)選手との対戦のスコア表

追い上げを振り切って勝ちました。

この試合は配信対象ではなかったので、試合映像は見れていません。

準々決勝

マカオの朱雨玲選手との対戦でした。

朱雨玲選手との対戦のスコア表

激戦を制してまさかのストレート勝利でした。銅メダル以上確定です。

この試合は配信対象ではなかったので、試合映像は見れていません。朱雨玲選手との試合、しかもメダル決定戦の試合映像を見れないなんて残念です。

準決勝の対戦相手は過去一度も勝っていない孫穎莎選手。全力を出し切るだけです。

勝利の瞬間。

朱雨玲選手との試合で早田ひな選手の勝利の瞬間

引用:卓球王国のXポスト

試合結果を伝える記事。「まさか4―0で勝つことができるとは思わなかった。最後まで自分を信じてラケットを振り続けた。心の部分で成長したなと思います。」

次は大会終了後のイベント時のインタビューから。

準々決勝の試合は、ほぼ一人で戦ったんです。最後の数本だけ監督が入ってくれたんですけど、同じ時間に別の試合があったので、ほぼ自分で、自分がどうしていくかを考えながら試合をした感じでした。だからこそ、自分自身と向き合いながら、相手とも勝負する。すごく頭の整理が必要なんですけど、一人で戦ってみて、意外とここまでの力を自分でもつけられるようになっているんだなと感じたので、それが心の部分で成長したなと思いました。日頃から、自分が何をして、どういうプレーをしたいか、人間としてどう生きていきたいかを考えて日常生活を送っているので、そういう自分と向き合う部分が、一人で戦うことになっても不安じゃなかった要因なのかなと思います。練習メニューもそうですし、自分でとにかくいろいろ考えながら毎日試行錯誤して、それが今回はいい方向に出たんじゃないかなと思います。

引用:早田ひな選手インタビュー 卓球 女子団体・ダブルス 銀/シングルス 銅|ダブルス決勝から一夜明けて語った「後悔しない選択」とロスへの思い【アジア大会2026】

準決勝

孫穎莎選手との対戦でした。

孫穎莎選手との対戦のスコア表

孫穎莎選手が強すぎて負けてしまいましたが、試合内容は過去最高に良かったです。

  • 第1ゲーム、孫穎莎選手のボールが厳しくて思うように得点できません。それでも良く動けているし、声も出ています。6-11でこのゲームを落としますが、これまでよりはいいです。
  • 第2ゲーム、これまでとは違う工夫が見える戦い方で6-1と大量リードしますが、そこから逆襲にあって6-10にされてしまいます。孫穎莎選手強いです。7-11でこのゲームも落としてしまいます。
  • 第3ゲーム、早田選手がリードを保つ展開が続きます。これまでの対戦内容とは明らかに違って孫穎莎選手の読みを外す工夫が多く見られます。8-8で追い付かれますが、早田選手らしい粘りのプレーも出て10-8とし絶叫します。最後サーブ3球目をストレートコースに決めて11-9で取り切り、右手拳を高く突き上げます。
  • 第4ゲーム、リードは許しているものの、明らかに過去の対戦とは違う技術・メンタルで戦っています。リードされてても右手拳を突き上げるなど、練習の成果を実感できているようです。強打の精度が足りず9-11でこのゲームも落とします。
  • 第5ゲーム、良い戦いをしているものの、孫穎莎選手が強くて5-11で敗戦となりました。孫穎莎選手に勝つにはまだまだ実力不足ですが、努力の方向性が間違っていないことを確信できました。

今年の世界卓球団体戦で負けた後、メンタルをやられてしまった時とは全くの別人です。それは試合内容から明らかでしたが、試合後のインタビューにもそれは表れていました。

早田は「準決勝で1―4で負けてしまったけど、内容としても練習してきたことだったり、団体戦で対戦した反省を生かして、自分のパフォーマンスを出せた試合だと思う。実力不足はより感じたけど、今日の試合に悔いはない」と胸を張った。

引用:【卓球】シングルス銅の張本美和&早田ひな、試合から6時間後に表彰式&会見も疲れ見せず 28日ダブルス金へ「ラスト1種目、全力で」…アジア大会

これまではミスをさせられると弱気になって自信を失うことが多かったのですが、今回は『次はどう攻めようか』とアイデアがポンポン出てくる場面がありました。ここまで試合に入り込めたのは、シングルスでは初めての経験です。
最終的にゲームカウント1-4で敗れ、全てにおいて上回られた実力差は痛感していますが、前日の試合を勝ち抜いてこの準決勝を戦えたからこそ、こうした貴重な経験を得ることができました。結果として銅メダルとなったことは悔しいですが、自分自身の確かな成長を感じられた一戦でした。

引用:【アジア競技大会】早田ひな、絶対女王・孫穎莎に惜敗で女子シングルス銅メダル。「本当の意味での『試合の駆け引き』の舞台にやっと立てた」

表彰式。

表彰式の様子

メダリスト会見後の自撮り

引用:【卓球】王曼昱&孫穎莎「世界のトップレベル」と早田ひな&張本美和を大絶賛 最後は笑顔で自撮り

ダブルス:準優勝(銀メダル)

今大会第1シードのみわひなペアは、第2シードの蒯曼/王曼昱ペアとは決勝まで当たりません。同一協会のペアは反対の山に入るルールから、ドローは普通に厳しいものです。まず中国の第2ペアに勝たなければ決勝まで行けません。みわひなペアの目標は、決勝で蒯曼/王曼昱ペアに勝って優勝することです。

実力を発揮して中国の第2ペアにも勝って決勝に進出しましたが、強すぎる蒯曼/王曼昱ペアに完敗して銀メダルでした。

R32(2回戦)

タイのVIJITVIRIYAGUL/WONGLAKHONペアとの対戦でした。

接戦になりヒヤッとしましたが、しっかり勝ちました。

  • 第1ゲーム、タイペアにミスが多く11-2で圧倒します。
  • 第2ゲーム、タイペアが第1ゲームとは別人のようなミスが少なく積極的なプレーで接戦になります。点差が開かない展開が続いて7-7まで競ります。みわひなペアは良く声が出ており、身体も動けていて仕上がりは良さそうです。タイペアの思い切ったプレーに押されて7-10とゲームポイントを握られますが、そこから踏ん張ってデュースに持ち込み、13-11でこのゲームも取ります。この落としそうだったゲームを取り切れたのは大きかったです。
  • 第3ゲーム、積極的なプレーが目立つタイペアと接戦になります。張本選手が相手選手のボールへの対応に苦労するシーンが散見されます。点差が開かない展開が続いて9-9まで競り、どちらが取ってもおかしくない中、最後2本を張本選手が決めて11-9で逃げ切りました。

長い道のりの始まりです。

ハイライト。

試合結果を伝える記事。

R16(3回戦)

香港の陳思羽/呉映萱ペアとの対戦でした。

陳思羽/呉映萱ペアとの対戦のスコア表

しっかり勝ちました。

  • 第1ゲーム、みわひなペアがリードを保つ展開が続きます。良く声が出ています。張本選手にややミスが目立ちます。8-8で追い付かれますが、しっかり攻めて11-8でこのゲームを取ります。みわひなペアの良さが出ています。
  • 第2ゲーム、流れをつかんでリードを広げる展開が続きます。点差があっても攻めの姿勢を維持します。危なげなく11-4でこのゲームも取ります。
  • 第3ゲーム、接戦で点差が開かない展開が続き、9-9まで競ります。9-10とゲームポイントを握られますが、デュースに持ち込み、攻めてくる台湾ペアを振り切って15-13で勝ち切りました。

準々決勝

中国の陳熠/范姝涵ペアとの対戦でした。

陳熠/范姝涵ペアとの対戦のスコア表

中国ペアの追い上げを振り切ってストレート勝利でした。

  • 第1ゲーム、共にシングルスの準々決勝でストレート勝利しているみわひなペア、動きが良く、声も良く出ています。接戦になりますが、勝負どころでらしさ全開のプレーを出して11-8でこのゲームを取ります。みわひなペア、個の強さを二人で発揮しています。
  • 第2ゲーム、みわひなペアがリードを保つ展開が続きます。中国ペアにミスが目立ちます。ゲームポイントを握った張本選手の素晴らしいプレーに早田選手が拍手します。最後は早田選手が回り込みフォアハンドを決めて11-5でこのゲームも取ります。みわひなペア、強いです。
  • 第3ゲーム、精度の高いプレーでリードを広げ、9-4と大量リードしますが、そこから中国ペアが5連続得点で追い付きます。マッチポイントを握ったもののデュースに持ち込まれます。11-10から最後、張本選手のサーブ3球目を早田選手が回り込み・しゃがみ込みフォアハンドで撃ち抜いて、右手を高く突き上げました。そして張本選手とがっちり握手、目標に向けて最初の難関を突破しました。

みわひなペアは攻撃的プレーでミスしても、決して弱気にならないところがいいですね。ゲームの中でミスを修正する能力が高いので、崩れません。

勝利の瞬間。

中国の陳熠/范姝涵ペアとの対戦、勝利の瞬間

引用:日本卓球協会のXポスト

試合結果を伝える記事。

準決勝

香港の杜凱琹(ドー・ホイカン)/呉詠琳(ウー・インラン)ペアとの対戦でした。世界ランク3位の強敵、ヨーロッパスマッシュ2026で対戦したばかりです。

杜凱琹(ドー・ホイカン)/呉詠琳(ウー・インラン)ペアとの対戦のスコア表

  • 第1ゲーム、香港ペアに攻め込まれて1-5と大量リードされますが、慌てることなくすぐに追い付きます。みわひなペア、良く声が出ています。安定したミスの少ないプレーで11-6でこのゲームを取ります。
  • 第2ゲーム、みわひなペアは二人共状態が良く、サーブ、台上技術、打ち合いの全てで香港ペアを上回ります。危なげなく11-5でこのゲームも取ります。
  • 第3ゲーム、みわひなペアはつなぐ時と攻める時の判断が良く、互いの長所を引き出します。序盤は競り合いますが、後半流れをつかんで引き離し、11-4でこのゲームも取ります。今日の早田選手、バックハンドの精度高いです。
  • 第4ゲーム、解説の平野早矢香さんが「これまでの試合で一番良い」と評価するだけあって、非常に動きが良く、コートで躍動します。このゲームも危なげなく11-6で取り、ストレート勝利で決勝進出を決めました。

目標は中国ペアに勝っての金メダル、その舞台が整いました。

試合結果を伝える記事。

決勝

中国の蒯曼/王曼昱ペアとの対戦でした。USスマッシュ2026の決勝で負けて以来の対戦になりました。

蒯曼/王曼昱ペアとの対戦のスコア表

  • 第1ゲーム、中国ペアに打たれて失点、攻撃がミスになって失点と悪い流れを作ってしまい、なんと0-11でこのゲームを落とします。誰も予想しなかった展開です。
  • 第2ゲーム、悪い流れを断ち切れず1-5と出遅れますが、それでも声を出して戦います。8-8で追いついて大きく吠えます。10-9でゲームポイントを握りますがデュースにされ、あと1点が遠く11-13でこのゲームも落としてしまいます。勝負強さが足りませんでした。
  • 第3ゲーム、このローテーションはボールが合わないのか思うように得点できません。中国ペアは隙がないので攻めないと得点できませんが、良い形が作れません。4-11でこのゲームも落としてしまいます。実力差を感じます。
  • 第4ゲーム、何とか喰らい付いて9-9まで競りますが、最後の2点を取らせてくれず9-11で敗戦となりました。それでも52年ぶりの銀メダルを獲得しました。

中国ペアの状態が完璧過ぎました。完敗です。個の力の差を倍にされたような試合内容でした。今日得た収穫を糧に、強くなるしかありません。

試合結果を伝える記事。

「世界卓球やオリンピック、アジア競技大会のような大舞台で中国選手と対戦すると、普段の対戦よりも数段レベルアップした状態で臨んで来ます。その点は覚悟して試合に臨みましたが、1ゲーム目は何を試しても得点できず、ゲームを落としてしまった。

そこから立て直そうとして、良いプレーも見せられたんですけど、技術的にはあらゆる面で相手ペアに圧倒された。単純に私たちの実力が不足していたし、戦術を変えようとした際にも個々の技術に対する自信が足りていなかった。

今回の経験を糧にして、次の大会や将来の大舞台に向けて、しっかり準備を進めていきたい。これからも張本選手とコミュニケーションを密に取り、ペアとして互いを深く理解しあい、コート上で自分たちで判断を下していけるようになりたい」(早田)

引用:【アジア競技大会】準優勝の張本美和/早田ひな。「課題が明確になり、非常に貴重な経験でしたが、結果としては悔しい」(張本)

まとめ

団体戦、シングルス、ダブルスの三種目とも、中国トップ選手の厚い壁を超えられませんでした。どれも中国超えを目標にしていたはずなので、悔しい思いがあることでしょう。それでも非常に収穫の多い大会になりました。

  • 団体戦は危なげなく決勝に進出したものの、状態の良い中国に完敗して銀メダルでした。
  • シングルスは朱雨玲選手にストレート勝利して準決勝に進出しましたが、強い孫穎莎選手に負けて銅メダルでした。それでも過去最高の戦い方ができ、努力の方向性が間違っていないことが実証されました。
  • ダブルスは実力を発揮して中国の第2ペアにも勝って決勝に進出しましたが、強すぎる蒯曼/王曼昱ペアに完敗して銀メダルでした。実力差を見せつけられてしまいましたが、これが現在位置です。個の力を高めることと、みわひなペアとして能力発揮できるように練習を増やす必要があります。

心は折れてません

中国の壁の高さを再認識させられた大会でしたが、心は折れてません。大丈夫です。

「全ての種目で中国人選手に負けたのが現実。そこをどうやってちょっとずつ詰めていくか。そして最終的に勝てるように、本当にいろんなことを1つずつクリアしていかないといけない」と受け止めた。

引用:【卓球】早田ひな「全ての種目で中国人選手に負けたのが現実」「自分の可能性を信じて…」団体&ダブルス銀、シングルス銅に悔い…アジア大会

大会終了後

団体銀メダリスト

メダリストセレブレーションイベントに参加

予告では張本美和選手と二人だけかと思いましたが、5人揃っての参加でした。

公式動画。

早田ひな選手もXにポスト。いい事ずくめのイベントでしたね。

メダリストセレブレーション後のインタビュー。

メダリストセレブレーション後のインタビュー記事。

中澤監督はみわひなペアを継続の意向

指揮官は五輪金メダルへ、エース同士を2月の世界ツアー、シンガポール・スマッシュから本格的に組ませた。今後についても継続させる意向。「今までよりも台上のプレーからの展開は良くなった。早田選手の打たれた時の守備やカウンターも良くなってきた。ただ、今の試合を見ると、まだまだ物足りない」と課題を潰し、金メダルへ避けては通れない“中国超え”へ強化する。

引用:【卓球】中沢鋭監督、「みわひな」ペアは今後も継続の意向 “0―11”は「めちゃめちゃダメージ」ロス五輪へ更なる強化図る…アジア大会

早田ひな選手は張本美和選手という成長曲線が常人離れした化け物とダブルスペアを組めたチャンスを活かし、短期間で世界ランク1位になり、今大会では蒯曼/王曼昱ペアにはボコボコにされたものの、ロサンゼルスオリンピックに向けて圧倒的に有利なポジションを確保しました。

早田ひな選手からのメッセージ

怪我に気を付け、体調を崩さず、毎朝「やったー今日もいっぱい練習できる!」「やったー今日も試合できる!」で行きましょう。

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