2026年アジア競技大会が終わって休む暇もなく6日後にはチャイナスマッシュ2026の本戦が始まります。そして10月から11月にかけてスマッシュ、アジア選手権大会、チャンピオンズ、チャンピオンズと4大会が連続して開催されます。ロサンゼルスオリンピック選考レースの観点では、これら4大会に出場できるかどうかが分岐点になりますが、さらに結果を出せるかどうかが2027年の戦いに大きく影響します。
早田ひな選手は本人も出来すぎと評価する、世界ランク6位をキープしています。世界ランク上位者が全員出場しても5-8シードを確保できるポジションです。依然として準々決勝の壁は高く、世界ランク上位者が揃った大会でベスト4に入るのは難しい状況ですが、あきらめずに挑戦し続けるしかありません。
早田ひな選手はシングルスは過去最高に強い申裕斌選手に負けてベスト16、みわひなペアのダブルスは決勝で蒯曼/王曼昱ペアに負けて準優勝でした。
*アイキャッチ画像はテレ東卓球情報のXポストからの引用です。
大会の仕様
- オリンピック、世界卓球選手権大会(個人戦)と同列のWTTシリーズ最上位大会です。
- 年間最大4大会開催可能です。2024年から年4回開催されるようになりました。
- 本戦8日、予選2~3日のゆったりした日程。
- シングルス、ダブルス、混合ダブルスの3種目を実施。
- シングルスの本戦は64名、うち8名は予選64名を通過した選手。予選のワイルドカード枠は6名。
- ダブルス24ペア、混合ダブルス24ペア(共に予選なし)。
- シングルスは本戦、予選合わせて各協会から6名までしか出場できません。また世界ランク上位者から優先出場となっています。
- 世界ランク20位以内の選手参加規制はありません。
- シングルスのワイルドカード枠4名、WTT推薦枠3名。
- 同一協会からダブルス、混合ダブルスには最大で4選手出場できますが、同一協会同士のペアはワイルドカードを除いて1ペアしか出場できません。ワイルドカード枠4ペア、WTT推薦枠なし。そのためチャイナスマッシュだと24ペア中最大5ペアが中国人ペアになります。
- 出場資格を持つ選手が病気や怪我以外の理由で辞退した場合、ペナルティの対象でしたが、これは2025年4月以降廃止されました。グランドスマッシュは強制参加でなくなりました。
- シングルスのシード数は16。(2022年までは8。)
- シングルスの準々決勝、準決勝、決勝のみ7ゲームマッチ、他はすべて5ゲームマッチ。
- 優勝選手には2,000ポイントが付与されます。WTTチャンピオンが1,000ポイント、WTTスターコンテンダーが600ポイントですからダントツの高さです。
チャイナスマッシュ2026
- 期間:2026年10月1日から11日
- 場所:中国の北京(日本との時差1時間、現地10:00が日本11:00)
- 出場種目:シングルス、ダブルス
- 参照:WTT公式サイト、日本卓球協会の公式サイト
ネット中継
- WTTがYoutubeチャンネルでT1からT4をリアルタイム配信しました。(日本では全テーブル視聴制限あり。)
- テレビ東京卓球チャンネルがT1の日本人選手以外の試合をリアルタイム配信しました。
- テレビ東京がU-NEXT(有料)で日本人選手の試合を、日本語実況解説付きでリアルタイム配信しました。日によってT1以外のテーブルも対象になりましたが、配信対象にならないテーブルもありました。
- 一部のテーブルで行われた日本人選手の試合をリアルタイムで視聴することは、日本では視聴制限によりできない日がありました。
- 日本人選手以外の試合も観たいという人にとっては迷惑この上ない運用でした。
- テレビ東京卓球チャンネルで公開されるアーカイブ、日本人選手の試合は大会開催期間中はハイライトのみです。大会終了後、1週間程度でフル動画のアーカイブが公開されると思われます。
テレビ東京によるこの対応は、残念ながら固定化されてしまったようです。もうあきらめてVPNで視聴制限を突破するのが良さそうです。
シングルス出場選手
世界ランク(ほぼ)上位48名の顔ぶれです。最上位大会だけあって、ランキング上位選手がびっしり並んでいます。
早田ひな選手はWR6位でした。

日本人選手で出場したのは張本美和選手、早田ひな選手、大藤沙月選手、佐藤瞳選手、橋本帆乃香選手、長﨑美柚選手です。
大会開催前
#チャイナスマッシュ🇨🇳 10.1(木)〜 11(日)開催🎊
プレイヤーズ レセプション👍#早田ひな #長﨑美柚 #佐藤瞳 ????
U-NEXTで日本人選手の
注目試合を独占ライブ配信‼️
📲https://t.co/p4wii1DOdY#卓球チャンネル では
ハイライトをアーカイブ配信
📲https://t.co/pXgY5xVIoAPHOTO:#WTT pic.twitter.com/s3OJZwobMO
— テレ東卓球情報 (@tvtokyo_tt) October 3, 2026
シングルス:ベスト16
初戦から長﨑美柚選手に当たる厳しいドローになりました。早田ひな選手はドロー運が悪いことで知られていますが、今大会のドローは最初からエンジン全開で臨みなさいと言われているようなものです。
長﨑美柚選手、范姝涵選手には勝ちましたが、過去最高に強い申裕斌選手に負けてしまい、結果ベスト16でした。
R64(1回戦)
長﨑美柚選手との対戦でした。

精度の高い、安定したプレーで強敵の勢いを封じました。第3ゲームは流れを渡してしまいましたが、第4ゲームの展開の作り方は見事でした。

- 第1ゲーム、レシーブが積極的、身体も動けていて、声も良く出ています。調子良さそうです。4-4まで競りますが、そこから流れをつかんで11-5でこのゲームを取ります。サーブからの組み立ても良く、両ハンドの精度が高いです。
- 第2ゲーム、接戦で競った展開が続きますが、後半ミスが出た長﨑選手に対し、隙のないプレーで仕上がりの良さを見せた早田選手がリードを広げます。11-5でこのゲームも取ります。
- 第3ゲーム、追い込まれた長﨑選手がバック対バックでゲームを優位に運びます。早田選手にミスが増えて流れを渡してしまい、4-11でこのゲームを落としてしまいます。
- 第4ゲーム、コース選択が良く、第3ゲームとは違った展開が続きます。フォア攻めに自分の展開が作れない長﨑選手に対し、早田選手は弱点のフォアサイドを突かれてもしっかり対応します。今日はブロックもいいです。最後はYGサーブを試す余裕も見せて、危なげなく11-2で勝ち切りました。
初戦はいつも鬼門ですが、今日の早田ひな選手は仕上がりが良く、安心して観ていられました。また、早田ひな選手がゲーム間にノートに書き込みしている様子は、初めて見た気がします。
この試合、U-NEXTで解説したのは石田大輔さんでした。ものすごく分かりやすかったです。
フル動画。
ハイライト。
試合後のインタビュー。
試合結果を伝える記事。
R32(2回戦)
中国の范姝涵選手との対戦でした。予選通過者です。WTTスターコンテンダーリュブリャナ2026で対戦しています。

激戦を制して勝ちました。この勝利の意味は大きいです。

- 第1ゲーム、互いに状態が良いと分かる立ち上がりで、接戦になります。点差が開かない展開が続いて9-9まで競ります。不運なネットインで9-10にされますが、攻めたプレーでデュースにします。そこからミスが出て11-13でこのゲームを落としてしまいます。
- 第2ゲーム、いろいろ修正し、流れをつかんで7-3と大量リードしますが、范姝涵選手の勢いを抑えられずに7連続失点で7-10とゲームポイントを握られてしまいます。このゲームを落とすと流れ的に厳しくなる中、精度の高いプレーで9-10にします。范姝涵選手のタイムアウト開け、これまでやられていたロングサーブにしっかり対応してラリー戦を制し、静かに右手拳を突き上げます。そして勝負強さを見せて12-10でこのゲームを取り返します。このゲームを落としていたら危なかったです。
- 第3ゲーム、早田選手がリードを保つ展開が続きますが、試合内容は接戦です。9-8からチキータレシーブでエースして吠えます。今日は勝負どころで良く声が出ています。11-8でこのゲームも取ります。
- 第4ゲーム、范姝涵選手の逆襲にあって流れを渡してしまい、5-11でこのゲームを落としてしまいます。范姝涵選手のラリー力、さすがのヤバさです。
- 最終第5ゲーム、実力拮抗で3-3まで競ります。ミスのないプレーで攻めて6-3とし、絶叫します。8-5からはロングサーブに対応して始めたラリー戦を制して力強く吠えます。難しい打ち合いを制して10-5とし絶叫します。早田選手らしさ全開です。最後フォアハンドを振り抜いて11-6で勝ち切り、静かに右手拳を突き上げました。
フル動画。
公開待ち。
ハイライト。
試合後のインタビュー。
試合結果を伝える記事。濃い内容、必見です。
素敵な写真。
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— Tetsuryou Onda (@tetsuryou_onda) October 6, 2026
R16(3回戦)
韓国の申裕斌選手との対戦でした。

申裕斌選手が強くて負けてしまいました。

- 第1ゲーム、試合への入りが悪く1-5と出遅れます。早田選手はレシーブで積極的に攻めますが、今日の申裕斌選手は対策されていてカウンターを喰らいます。9-9からデュースになり、難しい打ち合いを制して11-10として絶叫します。12-10でこのゲームを逆転で取ります。ゲームを取った時は静かなことが多い早田選手ですが、このゲームでは珍しく吠えました。
- 第2ゲーム、今日は申裕斌選手の出来が良く、多くの技術で上回られます。レシーブが積極的なのはいいのですが、ややミスが目立ちます。本人は納得しているようです。10-9とゲームポイントを握りますが決めきれず、デュースになります。11-13でこのゲームを落とします。
- 第3ゲーム、接戦が続きます。今日は申裕斌選手の勢いを抑え切れずこのゲームもデュースの末に10-12で落としてしまいます。
- 第4ゲーム、早田選手が追いかける展開が続きますが、6-6で追い付いてから流れをつかんで11-6でこのゲームを取り返します。後半の攻撃の組み立て方は良かったです。
- 最終第5ゲーム、今日は打ち合いが申裕斌選手に分がありますが、それでも長い展開を選択し続けます。打ち負けによる失点を重ねたことが響いて、9-11で敗戦となり、ベスト16敗退となりました。
今日は申裕斌選手の状態が良く、その勢いを抑え切れませんでした。納得の敗戦です。
フル動画。
公開待ち。
ハイライト。
試合結果を伝える記事。
試合後のインタビュー記事。
申裕斌選手のインタビュー。詳細欄に日本語訳があります。
ダブルス:準優勝
同じ国の選手によるペアは基本的に1組しか出場できないグランドスマッシュ、今年は4大会全てでみわひなペアが起用されました。実績を残せたこととロサンゼルスオリンピックを意識した強化本部の方針から、ダブルスの第1ペアの座を確固たるものにできました。これはロサンゼルスオリンピック出場を目指している早田ひな選手にとって、非常に大きな意味を持ちます。

チャイナスマッシュは中国がWCを連発するので中国人ペアが増えます。今大会は5ペアが出場しましたが、第1シードのみわひなペアのドローは「準決勝の山場を超え、決勝でリベンジするしかない」ものでした。
準々決勝、準決勝で実力を発揮して勝利し、決勝で蒯曼/王曼昱ペアと再戦しましたが、勝たせてもらえず準決勝でした。中国トップペアの壁は厚いです。
R16(2回戦)
フランスのルッツ/パバドペアとの対戦になりました。

しっかり勝ちました。

- 第1ゲーム、みわひなペアがリードを広げる展開が続きます。二人とも調子良さそうです。フランスペアの追い上げを振り切って11-8でこのゲームを取ります。
- 第2ゲーム、実力を発揮してフランスペアを寄せ付けず、11-3でこのゲームも取ります。
- 第3ゲーム、フランスペアもリスクを取って攻めてきますが、精度の高いプレーで応戦します。危なげなく11-4で勝ち切りました。
フル動画。
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試合結果を伝える記事。
準々決勝
台湾の簡彤娟/李昱諄ペアとの対戦でした。


台湾ペアが強くて激戦になりましたが、負けなくて良かったです。
- 第1ゲーム、台湾ペアが強くて接戦になります。なんとか逃げ切る形で11-9でこのゲームを取ります。このゲームの戦い方のままだと危ないです。
- 第2ゲーム、みわひなペアにミスが増え、流れを渡してしまい、1-7と大量リードされます。そこから追い上げて10-10にしますが、何度も狙われているフォアサイドを突かれて10-12でこのゲームを落とします。
- 第3ゲーム、接戦で点差が開かない展開が続きます。なんとか11-9でこのゲームも取ります。
- 第4ゲーム、打ち合いで台湾ペアに競り負けることが増え、積極的なプレーに押されて失点を重ねます。みわひなペアの攻めたプレーでミスが増え、8-11でこのゲームを落とします。勝負は最終第5ゲームへ。
- 最終第5ゲーム、ゲームへの入りが悪く0-3スタートになりますが、崩れずに5-5で追い付きます。攻撃の組み立てが良くなりリードを広げます。早田選手の咆哮がコートに響きます。最後は狙われ続けたフォアサイドのボールに対応して11-6で勝ち切り、苦しかった激戦をものにしました。
みわひなペアにとって課題の多い試合になりましたが、最後修正して勝ち切れて良かったです。この苦い経験は、みわひなペアをさらに強くしてくれるはずです。
フル動画。
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試合結果を伝える記事。(記事前半がこの試合)
準決勝
中国の王芸迪/姜依依ペアとの対戦でした。チャイナスマッシュでなければ対戦できないペアです。

実力を発揮して難敵を倒しました。素晴らしいペアリングでした。

- 第1ゲーム、接戦になります。王芸迪選手に強打されると苦しいので、そうなる前に得点したいところです。みわひなペア、動きが良く、声も良く出ています。10-6でゲームポイントを握りますが、中国ペアに10-9と追い上げられます。最後張本選手のバックストレートが炸裂して11-9でこのゲームを取ります。このゲームを取り切れたのは大きかったです。
- 第2ゲーム、攻撃の組み立てが良く、精度の高いプレーでリードを保ちます。8-5からは早田選手が練習の成果を見せて吠えます。9-6からは目の覚めるようなバッククロスを決めます。これだけできれば楽しくてしょうがないだろというプレーで11-6でこのゲームも取ります。
- 第3ゲーム、追い込まれた中国ペアが反撃に転じ、ラリー戦が増えます。打ち負ける回数が増えて7-11でこのゲームを落とします。
- 第4ゲーム、みわひなペアが安定したプレーでリードを保つ展開が続きます。めずらしく王芸迪選手が苛立っています。
フル動画。
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ハイライト。
勝利後のオンコートインタビュー。
試合結果を伝える記事。
決勝
中国の蒯曼/王曼昱ペアとの対戦でした。2026年アジア競技大会の決勝でボコボコにされたばかりです。

実力は出せたと思いますが、その実力差が大きくて勝てませんでした。

- 第1ゲーム、課題だった試合への入り方が良くて5-1とリードしたものの、すぐに追いつかれます。流れを渡してしまい、5-10と9連続失点してしまいます。が、そこから粘りを見せてデュースに持ち込みますが、あと1点が遠く11-13でこのゲームを落とします。
- 第2ゲーム、中国ペアの攻撃力に負けてあっさりと2-11でこのゲームも落とします。甘いボールが来ず、他のペアなら決まっているボールも決まりません。
- 第3ゲーム、追いかける展開が続きますが、8-8で追い付きます。決勝戦に相応しいレベルの高いプレーの応酬が続きます。何とか11-9でこのゲームを取り返します。
- 第4ゲーム、実力差を感じるプレー内容で、リードを広げられます。決定力の高い張本選手の攻撃も決まりません。7-11で敗戦となり準優勝でした。
蒯曼/王曼昱ペアに勝つには、個人の力を上げないといけないです。この試合も収穫の大きいものだったし、負けはしましたが、しっかり準優勝という結果を残しました。ロサンゼルスオリンピックに向けての課題は明確です。
フル動画。
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試合結果を伝える記事。
まとめ
- シングルスはR64で長﨑美柚選手、R32で范姝涵選手に当たる鬼ドローでしたがしっかり勝ってR16に進みました。が、過去最高に強い申裕斌選手に負けてしまい、結果ベスト16でした。
- スマッシュ、チャンピオンズでは5-8シードに入った上で絶対に準々決勝に進出することが、WR維持の絶対条件です。今大会ではそれを達成できませんでしたが、申裕斌選手に負けたのは勝負だからしょうがないです。悔しさ、反省をバネに、もっと強くなるしかありません。そして大事な大会で同じミスを犯さないことです。
- ダブルスは目標通り決勝に進出して蒯曼/王曼昱ペアと再戦できましたが、実力不足で負けてしまいました。このペアに勝つにはシングルスで蒯曼選手、王曼昱選手と互角に戦えるようにならないとダメですね。課題は明確です。
- それでも今年のスマッシュ4大会全てで決勝に進出できたことは、大きな成果だし自信になったはずです。ダブルスのWRポイントを稼げる大会は限られており、みわひなペアはロサンゼルスオリンピックに向けて良いポジションをキープできています。
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